2014-04-10
Short Stay Program 12 村上 大樹
内側の音、外側で聴く 2014.4.11 Fri. - 21 Mon.
村上 大樹 Daiki Murakami
〈内側の音、外側で聴く〉について
世界中で小さな音が鳴り続けている。体内や植物の中にも人間の耳では聴こえない音が存在する。
この展示では、聴診器を使いその小さな音を体感してもらいたいと思います。
聴診器は皮膚や対象物に直接あてる部分(チェストピース)におきる振動がゴム管をとおして耳に伝わるのです。
聴診器が空気の代わりに小さな音を大きく揺らしてくれる。そう、音は空気の振動なのです。
その振動が耳の中に入り、鼓膜が揺れを増幅させ、さらに奥の器官が振動を電気の信号に変える。
その信号が神経を通り脳に伝わり音を音として感じるのだ。
音とは振動と電気の信号によって人間が感じることができるものなのです。
振動とは、状態が一位に定まらず揺れ動いている事象をいう。
それは震災によって揺れ動いた大地と社会に似ているかもしれない。
耳には危険を感知する機能もあります。
放射能の危険を感知することで私たちは今まで疑問に思わなかったことを考えるようになりました。
電気のこと、空気の流れや土のこと、人間のこと、食べること、お金のこと、経済のこと、世界のこと。
振動と電気の信号から音を感じるように、地震の揺れと電気を作る原発から感じることがあったのです。
大地の振動により人間の考えは揺れだした。その考えの揺れを大きな希望に変えられたらと思うのです。
芸術作品の仮名にだって振動は存在しています。
錆びて捨てられたゴミ機械で作った立体作品や枯れ木で出来た人形の中にも小さな音があります。
この会場中にある小さな振動は空気を揺らすことができないミクロの運動体だ。
小さくても何かが確実に動いて揺らしている。微生物か?それとも奇々怪々としたものか。
それらを想像して言葉にした時、一歩踏み出して耳を傾けた時、その答え、
つまりこれから生まれるまだ音になる前の希望は大きく空気を振動させるでしょう。
村上 大樹
村上 大樹 Daiki Murakami
1975年生まれ 因島在住 漫画家
暗くて人が大量に死ぬ漫画を描く。漫画の拡大解釈として様々な創作活動を行う。
奇々怪々としたインスタレーションや人形作品、脳内テロリストともいえるアナーキズム全開の文筆。農業と怪奇映画の中にある生と死の反復、生死の境界線が曖昧になった状態を具現化したような作品を作る。また、「チイサイカイシャ」という運営体で定期的にイベント企画やウェブマガジン・モンスターも毎週水曜日に刊行している。
Short Stay Program 12 村上 大樹
『内側の音、外側で聴く』
会 期:2014年4月11日(金)〜 21日(月)
休館日:火曜、水曜日
時 間:11:00〜18:00
会 場:光明寺會舘 722-0033 広島県尾道市東土堂町2-1
入場料:AIR CAFEにてワンオーダーお願いします。
お問い合わせ先:
光明寺會舘/Tel 050-1537-5353 Mail aironomichi@ybb.ne.jp
村上 大樹/tsprq210@gmail.com
◉ オープニングパーティー 大きく振動する夜 4.13.Sun. 19:00〜
胎児ドップラー聴診器を使い、〈踊る人〉の体内音をスピーカー4台から出すパフォーマンスと音楽
演奏:筒
踊る人:権野 めぐみ
体内音響:村上 大樹
日 時:4月13日(日)19:00
入場料:1,000円(1ドリンク+軽食付)